ドナルド・トランプとカントリー・ミュージック

ジョニー・キャッシュの子供達は父親を平和的な社会正義の人だと記憶している。シャーロッツビルの衝突で白人至上主義者がジョニー・キャッシュのTシャツを着ている事にショックを受けた。娘の歌手ロザンヌ・キャッシュが語った。父は最も差別を嫌っていた。音楽業界誌ビルビルボードが伝えている。

「シャーロッツビルで行進した白人至上主義者やネオナチは私達の住む社会の中では害毒です。私達の父は、私達一人ひとりに、『子供達は愛や憎しみを選ぶことができる』と言いました。私は愛を選びました」

差別についてジョニー・キャッシュは60年代半ば、ネイティブ・アメリカンの権利を守る為、「ビター・ティアーズ-アメリカン・インディアンのバラッド」というアルバムを発表している。一部のラジオ局はエアプレイを拒んだ。「アイラ・ヘイズのバラッド」という曲が収録されている。硫黄島に星条旗をうちたてた6人の兵士の中の1人だ。アイラ・ヘイズという19歳のインディアン。英雄になったが、帰国後は差別を受け、酒におぼれ、故郷の川の浅瀬で死んだ。33歳だった。ジョニー・キャッシュが歌い、後にボブ・ディランも歌う。

ジョニー・キャッシュは貧困や飢えに苦しむ人、罪を償い続けている囚人や薬物患者を支援した。特に囚人の慰問のために刑務所を回った。ライブ・アルバム「アット・フォルサム・プリズン」や「アット・サン・クエンティン」が大ヒットする。

「黒い服の男」という代表曲がある。

なぜ俺がいつも黒い服を着てるのか
なぜあんたは俺の明るい色の服を見たことが無いのか
なぜいつも陰気くさいのか
それには俺なりの理由がある

貧しい人や打ちのめされた人や
希望の無い生活や貧民街の人たちのために
長いあいだ罪を償ってきた囚人たちのために
時代の犠牲者のために

満足な人生を送っている俺たち
車を飛ばして、おしゃれな格好をして
でも、だからこそ弱者を忘れないために
黒い服の男がいるべきだ

病気の人や孤独な老人たち
麻薬中毒で身も心も冷えきっている人たち
毎週100人もの若者たちが死んでいる
彼らを偲んで俺は黒い服を着る

毎週100人もの若者たちが死んでいるはベトナム戦争を歌ったものだ。

ドナルド・トランプが勝利したのは、「負け犬たち(underdogs)が支配者層(the establishment)を打ち負かした」のだと言う。負け犬には「ヒルビリー(Hillbilly)」と呼ばれる白人層もいる。ヒルビリーとは元々、「山に住む白人」。自分は昔からアメリカに住んでいるのに、最近の移民者のおかげで、「割りを食っている」などと考える。特に白人の男性がそう思う。「ヒルビリー」という音楽ジャンルがあった。今日で言う「カントリー・ミュージック」だ。トラックの運転手の孤独や失業者や失恋や犯罪者もテーマにする。白人の男性はカントリー・ミュージックを好む。

しかしロザンヌ・キャッシュが怒ったのは、カントリー・ミュージックにも多様性があるという事。白人至上主義者が聴くカントリーもあれば、それに抗議する人達が聴くカントリーもある。父は間違っても白人至上主義者やネオナチのためには歌っていないと。




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