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EMIミュージックの買収が承認された

昨年(2011年)11月、ユニバーサルミュージックがEMIミュージックのレコード部門を米国金融最大手のシティグループから買収すると発表してから約10ヶ月。先週金曜日(9月21日)、欧州委員会と米国の連邦取引委員会が買収を承認した。

欧州委員会による条件は、ユニバーサルミュージックがEMIミュージックを買収する場合、ヨーロッパ地区での市場占有率を肥大化しないよう下げる事だった。結果としてユニバーサルミュージックはイギリス本国の主要レーベル、パーロフォンの売却を決めた。ビートルズやビートルズのソロの作品は対象外で、それらの権利はユニバーサルミュージックが持つ。以前にヴァージン・レコードやブルー・ノート・レコードも売却対象だったが、これらのレーベルを売っても市場占有率が下がらない為、売却対象から外した。パーロフォンの現在の主要契約アーティストは以下だ。

コールドプレイ
デヴィッド・ゲッタ
リリー・アレン
カイリー・ミノーグ
タイニー・テンパー
ゴリラズ
ブラー
コナー・メイナード

コナー・メイナードは全英アルバム・チャートの1位になったばかりだ。これらに加えて過去のペット・ショップ・ボーイズやデヴィッド・ボウイ他数多くのカタログがある。また他に売却されるレーベルはクリサリスで、このレーベルにはプロコル・ハルムやジェスロ・タル他数多くの良質なロック・カタログがある。

業界誌ビルボードによると、ユニバーサルミュージックがEMIミュージックを管理するのは今週の9月28日からで、パーロフォン他のレーベルやヨーロッパ各国のEMIミュージック売却は6ヶ月以内に決まるとの事だ。これらのレーベルを買収したい会社はソニーミュージック、ワーナーミュージックとドイツのBMGライツ・マネージメントだそうだ。しかしBMGライツ・マネージメントは世界各国でのレコード事業が未展開なので、ソニーかワーナーに決まる公算が大だ。ところがややこしい事に、フランス、スペイン、ベルギー、デンマークやノルウェイ他10ヶ国のEMIミュージックも売りに出されている。BMGライツ・マネージメントがこれらも一緒に買収したらとりあえずヨーロッパではすぐに商売が出来る。

欧州委員会と米国連邦取引委員会の承認が出た直後、EMIミュージックのロジャー・ファクソン会長兼最高経営責任者は社員にあてたメモで辞任する事を明らかにした。ロジャー・ファクソンはステファン・クーパーの代わりにワーナーミュージック会長兼最高経営責任者になるという噂が前からある。上は行き先が決まっているという話。

EMIミュージックのレコード部門を買収したユニバーサルミュージックのルシアン・グランジ会長兼経営責任者はビルボード誌のインタビューに答えた。「買収によって約130億円(1£130円換算)ほどのコスト・カットが出来る。また買収によっての人員削減はまだ発表出来る段階ではない」

多少驚く事ではあるが、ルシアン・グランジは「これからはキャピトル・レコードとヴァージン・レコードの制作部門に人員や資金を投入する」と答えた。これはアメリカではキャピトルが、ヨーロッパではヴァージンがEMIミュージックの柱になるという事だ。リチャード・ブロンソンが始めたヴァージン・レコードはヨーロッパでは強いブランド。今回リチャードはヴァージンが売りに出たら買おうと思っていたがユニバーサルミュージックは売りに出さなかった。過去のカタログが殆どだが、最近では今年の2月、エミリー・サンデーのアルバムが全英アルバム・チャートの1位になった。ユニバーサルミュージックはヨーロッパで、パーロフォンの代わりにヴァージンを大きなレーベルにしようと決定したようだ。

ちなみに調査会社サウンドスキャンによると2011年のアメリカのマーケット・シェアは以下だ。

1位)ユニバーサルミュージック 29.9%
2位)ソニーミュージック 29.3%
3位)ワーナーミュージック 19.1%
4位)EMIミュージック 9.6%

残りの12%程はインディーズ。


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