アップルとU2の戦略

アメリカ時間の昨日(9月9日)、カリフォルニア州クパチーノでアップルのイベントが開催された。アメリカのメディアが伝えている。

音楽業界にとっては驚くべき事実が発表になった。iTunesストアーの会員であればU2のニュー・アルバム「Songs of Innocence」が無料でダウンロード出来る。対象者は世界119ヶ国の5億人だという。10月13日のアルバム発売日迄この無料サービスが続く。新たにiTunesストアーの会員になれば、この恩恵が受けられる。会員がダウンロードを実行したとして、単純に計算すれば、アルバムは約1ヶ月で5億枚という信じられない大ヒットになる。まあそんな事にはならないと思うが。

ラジオ業界誌ヒッツは(いらぬお世話だが)売り上げの分配を心配している。レコード会社であるユニバーサルミュージックが幾ら取って、U2には幾ら入るのか。普通に考えればiTunesの場合、アップルのレコード店なので、売り上げの約30%を取る。残りの70%をレコード会社とアーティストが分ける。曲を書いた作詞作曲家にはレコード会社から著作権印税が支払われる。売り上げや印税のベースは卸価格だ。

今回のキャンペイン。
アップルにとっては下降気味の有料ダウンロード・サービスiTunesを立て直す。実売調査会社サウンドスキャンによると、今年の1月~6月で、iTunesも含む有料ダウンロード・サービスは対前年で12.4%もダウンしている。音楽の聴き方が有料でダウンロードするよりも、パンドラで自分好みのラジオ局を作るか、スポティファイで聴きたい時にオン・デマンドで聴くか、状況は変化している。今回アップルはパンドラに対抗するiTunes Radioやスポティファイに相当する買収したばかりのビーツ・ミュージックでも10月13日迄の期間限定でU2の独占サービスを行うそうだ。ちなみに音楽だけではないが、昨年のiTubesストアーの売り上げはアップル全体の9.4%にも達する。

ユニバーサルミュージックにとっては、アップルとどんな契約をしたかは分からないが良い話だろう。話をつないだのは元ユニバーサルミュージックの幹部でU2と親しいジミー・アイオヴィン。ビーツ・ミュージックの共同創業者で今はアップルにいる。

大打撃を受けるのはアマゾンや小売店だ。実物のCDは24ページのブックレットが付く。デラックス盤にはアルバムからのアコースティック・バージョンと4曲の未発表曲が加えられる。アナログの2枚組LPも発売される。いずれにせよ1番得をするのはU2だ。このキャンペインにより知名度は遙かに増すだろう。最後に刈り取るのは総額500億円を軽く越すワールド・ツアーのチケット代だ。


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