アメリカのレコード音楽産業の行方

実物のレコード(CD他)を所有する時代から、好きな曲やアルバムをデジタルでダウンロードする時代。そして所有はせずに、毎月会費を払って、豊富なカタログからオン・デマンドで好きな曲を聴く時代。アメリカのレコード音楽産業の行方は混沌としている。毎回当ブログに掲載するが、以下が今年上半期のレコード売り上げの内訳だ。アメリカ・レコード協会調べ。

デジタル・ダウンロード(Permanent Downloads)売り上げが41%、実物のCD等(Physical)が28%、それとほぼ並ぶ27%でストリーミング売り上げが続く。3%のシンクロはレコードがTVやコマーシャルで使われたもので、1%は携帯電話向けの着信を伝える着うた。

アメリカ・レコード協会

実物のCD等は対前年比で14%のダウン。デジタル・ダウンロードも12%のダウンで、ストリーミングが28%伸びた。ストリーミングには有料の定額制サービスや、広告でまかなう為無料のインターネット・ラジオからの売り上げが含まれる。ストリーミング売り上げの伸びはマイケル・ジャクソンの弁護士ジョン・ブランカが前から言っていた。

しかしレコード会社やアーティストがストリーミング、とりわけ定額制音楽ストリーミング・サービスに寛容なわけではない。音源使用料をもっと多く支払うべきだと。それはiTunesが1曲99セントから始まったが今では1曲1.29ドルだとする理屈がある。そしてスポティファイが月額約10ドルの会費を5ドルに値下げしたいというのは時代に逆行していると批判する。

今年最大のメガ・ヒットになったテイラー・スウィフトは、スポティファイに音源の提供をやめた。テイラー・スウィフトにとってトータルの売り上げは落ちたかも知れないが、実物のCDとダウンロードは伸びた。テイラー・スウィフトのレコード会社はインディーズのビッグ・マシーン。ユニバーサルミュージックが配給している。そのユニバーサルミュージックとスポティファイの契約は来年(2015年)の頭に終了する。その直後にソニーミュージックとスポティファイの契約も終了する。この2社が音源を提供しなかったら、スポティファイはアメリカのレコード音楽の70%を失う事になる。とはいってもそこはビジネス。2社共、音源使用料のアップを要求し、どこかで妥結する。

しかしこの先ややこしいのはアップルの動向だ。定額制音楽ストリーミング・サービスのビーツ・ミュージックをiTunesに組み込む新サービスが来年(2015年)の早い時期にスタートすると報道されている。ビヨンセでやった様に、iTunesでデジタル・ダウンロードは独占販売し、CDよりは先行発売する。例えばアデルだ。アデルはアルバム「21」をアメリカで1000万枚以上売った。仮にアップルがアデルのニュー・アルバムで、ダウンロードの独占販売と、iTunes/ビーツ・ミュージックの為に、スポティファイに音源を提供しない可能性もある。2015年のアメリカ音楽業界はデジタルにかんし、「独占」というビジネス・モデルが今以上に追求されるかもしれない。独占の方が当然取り分は増える。



プロフィール

洋楽天国

Author:洋楽天国
FC2ブログへようこそ!

スポンサードリンク
最新記事
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
QRコード
QR