スポティファイの資金調達

先週の木曜日(1月29日)、アメリカの経済新聞ウォール・ストリート・ジャーナルが、「スポティファイがゴールドマン・サックスと組んで、600億円(1$120円換算)の資金を調達する」と報じた。これによって今年(2015年)に予定されていた新規株式公開(IPO)が延期されるだろうと株式市場の関係者は見ているそうだ。

この報道に対して、ウォール・ストリートの経済ニュース・サービスのザ・ストリート(TheStreet)社は、スポティファイかパンドラかどちらが投資家に取って魅力的かをグラフで表した。スポティファイは定額制音楽ストリーミング・サービスを提供し、好きな曲が好きな時に聴けるオンデマンドのサービスだ。原則は有料。月額9.99ドルだ。

スポティファイとパンドラの違いは、スポティファイは定額制音楽ストリーミング・サービスで、全世界で事業を展開しているが、パンドラはインターネット・ラジオなのでアメリカ国内でのビジネスに限られる。TVやラジオの事業は国別の事業。アメリカのテレビでNBCやABCやCBSやFOXがメジャーだからといって、他国でビジネスをやるには放送免許が必要だ。インターネット・ラジオも同様の規制がある。

スポティファイを無料で聴く方法もある。しかしCMが入る。これに対してCM収入で経営するパンドラの場合、原則は無料だが、CMを聴きたくない人達用に有料の会員制がある。月額4.99ドル払えばいい。下の表を見ると、スポティファイの収入は91%が有料会員からのもので、パンドラは82%が広告収入だ。

パンドラスポティファイ


下のグラフはスポティファイとパンドラの、2010年から2013年までの4年間の売り上げ(Revenue)と利益率(Profitability)だ。スポティファイの売り上げがパンドラより大きいのは世界中(現時点で58ヶ国)で事業展開をしているからだ。パンドラはアメリカだけの売り上げ。スポティファイは売り上げが倍々ゲームで伸びているのに、改善はしているが黒字になった事は1回もない。パンドラも赤字が続いてる。

パンドラスポティファイ2


アップルがヘッドフォン事業込みの定額制音楽ストリーミング・サービスのビーツ・ミュージックを3000億円で買収した。先行するスポティファイにどう競争を仕掛けられるのだろう。スポティファイやアップルやパンドラも、レコード会社からの音源使用料の低下を望んでいる。スポティファイの記事が出た翌日、パンドラの株価はほとんど反応しなかった。

ところで何故テイラー・スウィフトがスポティファイにアルバムの音源を提供しなかったのか。スポティファイは有料の音楽ストリーミング・サービスのはずだが、登録会員の4000万人(2014年5月時点)のうち有料会員は1000万人。残りの3000万人はタダで聴いている。それはないだろうという事だ。



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