アップルが提案するであろう音楽業界の新時代

アップルが提案するであろう、音楽業界の新時代。

アップルの新しい定額制音楽ストリーミング・サービスは、アップルが毎年開催している開発者向けイベント、6月のWWDC(ワールドワイド・ デベロッパーズ・カンファレンス)で詳細が発表されるかもしれないと関係者は見ている。その為には、音源使用料についてはレコード会社と、音楽著作権料については音楽出版社と話し合わなければならない。水面下での交渉事を噂話として業界誌が書く。ビルボード誌は書けないが、ある意味乱暴なラジオ業界誌のヒッツは書ける。

その前に、以下が直近のアメリカ・レコード業界の売り上げ内訳だ。

アメリカ・レコード協会(RIAA)が昨年(2014年)9月25日に発表した、2014年上半期(1~6月)のレコード業界売り上げ。対前年比で2.5%(卸価格ベース)ダウンした。しかしその内訳は日本にいると殆ど理解不可能なデータだ。

下のグラフのように、デジタル・ダウンロード(Permanent Downloads)売り上げが41%、実物のCD等(Physical)が28%、それとほぼ並ぶ27%でストリーミング売り上げが続く。3%のシンクロはレコードがTVやコマーシャルで使われたもので、1%は携帯電話向けの着信を伝える着うた。

アメリカ・レコード協会

実物のCD等は対前年比で14%のダウン。デジタル・ダウンロードも12%のダウンで、ストリーミングが28%伸びた。ストリーミングには有料の定額制サービスや、広告でまかなう無料のインターネット・ラジオからの売り上げが含まれる。とにかくストリーミング売り上げの伸びが著しい。代表的なものはインターネット・ラジオのパンドラと定額制音楽ストリーミング・サービスのスポティファイだ。

アップルは2003年、オンライン上で音楽をデジタル販売するiTunesストアーを開店した。そのやり方が現在のレコード売り上げの主流をなす。当時、「スティーブ・ジョブズは音楽家達を奴隷のように雇い、そして商品(iPod)を売りまくった」と言う業界人もいた。しかしアップルが音楽業界のやり方を変えたのは紛れもない事実。そのアップルがまた業界を変えようとしている。

ストリーミングとは何か。アメリカ人にとってはラジオだ。音楽はラジオから聴き流し(ストリーミング)ていた。しかしラジオ業界はレコード会社やアーティストに対して、一銭も使用料を払わなかった。デジタル時代になり、パンドラやスポティファイは相応の使用料支払いに応じた。パンドラは広告収入から、スポティファイは広告収入と有料会員からの会費でまかなう。

今最大の問題になっているのがスポティファイの「フリーミアム」と呼ばれる、広告による無料サービスと、有料会員からの会費を組み合わせたサービス。スポティファイの場合、有料会員は1500万人だが、無料を含むと6000万人が会員だ。テイラー・スウィフトが全アルバムを引きあげた理由がここにある。タダで私の音楽を聴かないでという事だ。レコード会社の幹部は以下のように考えている。業界誌ヒッツのインタビューに答えた。

ユニバーサルミュージック会長ルシアン・グランジ
「消費者からすると、無料や有料のサービスがある。しかし広告で運営される無料のやり方は、音楽の生態系を強くするものではない。もしそのやり方が主流となったら、サービスを提供する会社に充分な売り上げが立たず、コンテンツ(音源等)を提供する会社にも続けるだけの売り上げが見込めない。最も重要なことは(音楽を作るミュージシャン)クリエイター達の声を聞く事だ。過去これらの人達に充分な見返りは無かった」

ソニーミュージック会長ダグ・モリス
「基本的に、”タダ”というのはレコード産業の下降と一致している。”タダ”で手に入る物に、人はどうして金を払わなければならないのか。そこに議論をする余地がある。しかし一般的に言えば、”タダ”は死、破滅だ。やり過ぎた”タダ”はある。最大の犯罪者はYouTubeだ。これが抑制されたら、我々は成功のビジネスを迎えることが出来る。人々が欲しがるような会費制のやり方。それだったら上手くいく。ジミー・アイオヴィンとアップル/ビーツ・チーム。ジミー・アイオヴィンはマーケッティングを知り尽くしている。そしてアップルには8億5000万枚のクレジット・カードのデータと、銀行には19兆円(1$120円換算)もの現預金もある。スタートするには充分だ」

アップルの新しい定額制音楽ストリーミング・サービスは買収したビーツ・ミュージックを踏襲する。会員になったらある期間は無料だが、それが過ぎたら有料だ。有料サービスには幾つかの選択肢がある。広告での無料サービスはない。スポティファイは月額9.99ドルの会員制だが、アップルの新サービスは月額7.99ドルになりそうだった。しかし音源使用料を徴収するレコード会社にとってみると、会費は高い方が良い。アップルの7.99ドルはもう少し高くなるかも知れない。または年会費が安い。いずれにせよもうすぐ決まる。



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