YouTubeのコンテンツIDというシステム

来年(2016年)のアメリカ大統領選挙。先週、共和党のランド・ポール上院議員が立候補を表明。民主党の大本命と噂されるヒラリー・クリントンと争う事になるのだろうか。問題が起きた。業界誌ビルボードが伝えている。

立候補表明と同時に、選挙キャンペーン動画がYouTubeにアップされた、はずだった。しかしこの動画はYouTubeによってブロックされた。ランド・ポールの選挙対策陣営が著作権を侵害していた。カントリー・シンガーのジョン・リッチ(41歳)の「Shuttin' Detroit Down」を許諾なく無断で動画に使用していた。新聞ワシントン・ポストが報じた。

YouTubeには著作権保有者のコンテンツをスキャンして識別する「コンテンツID」というシステムがあり、コンテンツIDに類似する動画がアップロードされると、簡単に検出されるようになっている。権利保有者は一致するコンテンツを「ミュート」、「ブロック」、「収益化」、「追跡」といったオプションを選択できる。原盤権を保有するワーナーミュージック・グループは、動画全体を閲覧できないようにする「ブロック」を選んでいたようだ。


3年前の2012年にも同じ事があった。当ブログでも書いた。

アメリカで選挙があるたびに発生する事件。今運動が真っ盛りの、米国大統領選挙の共和党候補者指名をめぐって問題が発生した。立候補している元下院議長のギングリッチ氏が曲を書いた著作者に訴えられた。曲はロック・グループ、サバイバーによって大ヒットした「アイ・オブ・ザ・タイガー」。映画「ロッキー3」の主題歌だ。

ギングリッチ氏は一昨年から集会に登場する際に「アイ・オブ・ザ・タイガー」を会場で流していた。元気の出る曲ではある。作詞作曲者はサバイバーのフランキー・サリヴァン。選挙キャンペーンでの使用は許諾していないとしてギングリッチ氏を訴えた。ギングリッチ氏は議長として著作権法改正にも関わっていて、著作権には詳しく、意図的に使っているのではないかとフランキー・サリヴァンは考え、訴える事にしたそうだ。


以前も同じ事が何回もあった

大統領選挙で民主党のオバマと争っていた共和党のジョン・マケイン候補がジャクソン・ブラウンの「ラニング・オン・エンプティー/Running on Empty」を無断使用していて謝罪した。

2010年のアメリカの中間選挙ではイーグルスのジョー・ウォルシュが共和党の下院議員立候補者にクレームを入れた。自分が作った曲「ウォーク・アウェイ」が選挙のキャンペーンに使われていて、歌詞の内容が変えられているのが不愉快だと訴えた。立候補者の名前は「ジョー・ウォルシュ」。候補者の名前がジョー・ウォルシュと同姓同名でアメリカ中が大笑いした。

この時ジョー・ウォルシュの弁護士、ピーター・パテルモは立候補者ジョー・ウォルシュに今すぐ曲の使用をやめるよう「馬鹿笑いレター」を送った。

その手紙はジョー・ウォルシュ候補に学校で教えるような書き方で、「アメリカの著作権法で、貴方は2つの事を学ばなければならない。まず最初に他人が作った曲を使う場合事前に作家から許諾を得なければならない。貴方は選挙戦で忙しかったかもしれないが無断使用はNGだ。2番目の問題点は部分的に歌詞を変更した事だ。これもれっきとしたアメリカの著作権法では違法である。貴方はキャンペーンの為に自分で曲を書くべきだ。何故そうせずミュージシャンのジョー・ウォルシュの曲を使ったのか私は知っている。貴方や貴方の選挙スタッフが書ける歌詞よりも、イーグルスのジョー・ウォルシュが書いた曲が優れているからだろう」という内容だった。

ジョー・ウォルシュの選挙参謀は地元紙に、「曲を使ってるのは全くその通り。でもジョー・ウォルシュのオリジナルの歌詞は使っていない」と反論した。歌詞を作家の許諾無しに変えてはならない。歌詞を変える事は近年日本でも有名になった「おふくろさん」事件。作家川内康範のオリジナル詩に森進一が詩を加えた事。著作権法での「同一性保持権」を侵害した。


ウォール・ストリートの連中がデトロイトをシャットダウンしようとしているという歌。宣伝用音楽ビデオにはミッキー・ロークとクリス・クリストファーソンが出演している。





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