定額制音楽ストリーミング・サービス、タイダルのドタバタ騒ぎ

先週の5月28日、ビジネス情報誌ブルームバーグのビジネスウィーク が書いた記事が波紋を呼んでいる。見出しは「それが商売だよな:タイダルが完璧な大失敗の訳」。これを受けて皮肉屋ラジオ業界誌のヒッツは、「タイダル(潮)、海に沈んで死亡か」のミニ記事を書いた。

中身を見ると、ラッパーのジェイ・Zが買収した定額制音楽ストリーミング・サービスのタイダルに対して、ソニーミュージックが音源をライセンスしないという話。音源使用についての再契約を結ばないとすれば、アメリカ国内で30%程の市場占有率を持つソニーミュージックの音源が使えない事になる。タイダルの記者発表で、ジェイ・Zを含む16アーティストがタイダルの株を取得し、アーティスト・フレンドリーなストリーミング・サービスだと強調した。しかしソニーミュージックと契約出来なければ、15アーティストの内7アーティストの音源、ジェイ・Zの妻ビヨンセ、記者発表で演説したアリシア・キーズに加え、ダフト・パンク、ジャック・ホワイト、カルヴィン・ハリス、J.コールやアッシャーの音源が使えない事になる。

これに対してソニーミュージックは急遽ダグ・モリス会長名で、音楽業界誌ビルボードに声明を出した。

「ジェイ・Zは私の親友で、音楽業界の仲間だ。私は常日頃、彼のビジネス感覚、起業家精神や音楽に対しての情熱に尊敬の念をいだいている。我々のビヨンセも含む全てのコンテンツはタイダルで聴く事が出来る。我々はタイダルから音源を引きあげる計画は無いという事を申し上げる。私達は他のパートナー同様、ジェイ・Zとタイダルの成功に向けて努力する」

ではどうしてブルームバーグは否定的な記事を書いたのだろうか。同様なサービスを実施しているスポティファイとレコード会社はギクシャクしている。会員制と言いながら75%の会員は会費を払っていない。テイラー・スウィフトが音源を引き上げたのもそれが理由。一生懸命に音楽を作った、だからそれなりの対価を得たいと。タイダルは全員が有料会員だ。スポティファイのような恐れはない。問題は音源使用についての再契約が迫っていたのに、ジェイ・Zはソニーミュージックを甘く見たという事のようだ。自分のレコードの配給はユニバーサルミュージックなので、圧力をかけたかどうかは定かでは無いが、ワーナーミュージック同様、早々に契約にこぎ着けた。ソニーミュージックがもめたのは、音源使用料金の前払い(アドバンス)額という噂もある。

いずれにせよ、この手の記事には裏がある。書いて貰って得をする会社と損をする会社。

来週の月曜日(6月8日)、満を持して、アップルが新しい定額制音楽ストリーミング・サービスの発表を、WWDC(ワールドワイド・ デベロッパーズ・カンファレンス)で行うのは確実だろう。ジェイ・Zの友だった元インタースコープ・レコード会長のジミー・アイオヴィンが陣頭指揮をとる。




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