ソニーがマイケル・ジャクソンの持ち株を900億円で取得した

米国ソニーが月曜日(3月14日)、音楽出版社ソニー/ATVのマイケル・ジャクソンが保有していた50%の株を900億円で取得したと発表した(1$120円換算)。昨年の秋から噂されていた事が現実になった。

当ブログでも昨年10月に書いた。以下がそれだ。

アメリカの経済新聞ウォール・ストリート・ジャーナルが、ソニーは所有する音楽出版社ソニー/ATVを売りに出す計画を進めていると記事にした。この記事がロイター通信他を通じて、ソニーとマイケル・ジャクソンの見出しで瞬く間に拡散した。

ソニー/ATVはビートルズの楽曲やテイラー・スウィフトやエミネムやボブ・ディラン他の楽曲を管理している。ビートルズの楽曲を管理するATV音楽出版をマイケル・ジャクソンが買ったが、金がなくなり1995年、ソニーと合弁会社ソニー/ATVを設立した。

ソニー 50%
マイケル・ジャクソン資産管理団体 50%

合弁会社なので、「バイ・セル」条項がある。何かの都合で合弁を解消したい場合、ソニーがマイケル・ジャクソンが保有する株式の買い取りを請求する。マイケル・ジャクソンが応じなければ、ソニーが保有する株式をマイケル・ジャクソンに買い取らせる請求が出来る。ソニーがマイケル・ジャクソンに低い金額での請求だと、マイケル・ジャクソンはその低い金額でソニーから買い取ることが出来る。通常この条項は、適正な金額に誘導されるメカニズムが働くとみられている。

米国ソニーはエンタテインメント部門の「映画制作」、「TV番組制作」、「レコード音楽制作」、「音楽著作権の管理」等を一本化し、ソニーピクチャーズのマイケル・リントン最高経営責任者がこのエンタテインメント部門を統括している。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事に動揺しないよう、ソニー/ATVの社員にメールを送った。

「合弁会社では当たり前の話。『バイ・セル』条項の検討を始めた。様々な条件を検討しなければならない。どちらがオーナーになろうともソニー/ATVは音楽出版界のリーダーだ。みんなはいつも通り仕事に励んでほしい。ソニー/ATVの価値をより一層高めてほしい」


10年前、文化庁が主催したシンポジウムで、音楽出版社フジパシフィックミュージック朝妻一郎会長の講演が面白い。内容は以下だ。

 ビートルズの著作権は、ノーザン・ソングスという会社が持っていましたが、そのノーザン・ソングスをイギリスのATVが買いました。そして、ATVが1985年にビートルズの著作権を含む所有している楽曲を全部売りたいという意向を示した結果、ポール・マッカートニーやコカ・コーラ社などを含めて数多くの人達が、その著作権を買いたいという買収合戦になりましたが、結局はマイケル・ジャクソンが4700万ドルで買収しました。当時の4700万ドルはけっこうな値段で、投資を回収するにはかなり時間がかかると言われていましたが。

しかし、買収した翌年の1986年に音楽フォーマットがアナログからCDに切り替わったことによって、アナログで出ていたレコードが全部CDで再発されました。当然ビートルズの曲はビートルズ本人によるものもたくさんありますが、それ以外にいろいろなアーティストによってレコーディングされていたので、そのレコードが全部再発されるという思わぬ収入を生み出し、マイケル・ジャクソンはこの1年で投資のかなりの部分を回収することが出来たのです。

 その後1994年にEMIとATVが管理契約を結びましたが、その契約時に3000万ドルを受領しています。当然その3000万ドルは作家分も含めてと解釈されますので、それを差し引いても、少なくとも1500万ドルはそのままマイケル・ジャクソンの懐に入ったのです。1986年のCDフォーマット登場の時点でかなりの部分を回収し、その上に1500万ドルを積み上げています。

 翌年の1995年には、ソニーにATVの半分を売る代わりにソニーが持っていた音楽出版社のソニー・ミュージックパブリッシングとソニー/ATV音楽出版社をつくることで合意しました。その時にATVの資産価値の半分の金額とソニーの持っていた音楽出版社の資産価値の半分との金額の差額が約1億1000万ドルということで、マイケル・ジャクソンはソニー/ATVの半分の権利、プラス1億1000万ドルの現金を貰っています。ですから、彼は1994年の段階で最初の4700万ドルは全部回収していたと思われる上に、1995年には新たに1億1000万ドルの現金を手に入れているのです。


ちなみにソニーが所有する、ソニー/ATVよりも売り上げの大きいEMI音楽出版。2012年、ソニー主導で買収した。株主は以下だ。

ソニー 29.8%
マイケル・ジャクソン資産管理団体 10%
ムバダラ開発(ファンド)
ジンウェル・キャピタル(ファンド)
GSOパートナーズ(ファンド)
デヴィッド・ゲフィン(ゲフィン・レコード創業者)

マイケル・ジャクソン資産管理団体はこのまま10%を保有するという。余談だが、団体の代理人である弁護士のジョン・ブランカは、入って来るお金は3人の子供達の為だとコメントした。1人当たり300億円だ。




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