ジョージ・マイケルの話

25日に亡くなったジョージ・マイケル。ソロ・アーティストとしての華やかな活動期間は以外と短いものだった。ベスト盤やライブ盤やカバー・アルバムを除くと、オリジナルのスタジオ・アルバムは僅かに4枚しか発表していない。以下がアルバム名と発売年と米ビルボード・アルバム・チャートの順位と発売したレコード会社だ。


フェイス(1987年) 1位 CBSレコード(現ソニーミュージック)

リッスン・ウィズアウト・プレジュディス(1990年) 2位 CBSレコード(現ソニーミュージック)

オールダー(1996年) 6位 ヴァージン・レコード

ペイシェンス(2004年) 12位 CBSレコード(現ソニーミュージック)


2枚目のアルバムが発売された当時のCBSレコード社長だったトミー・モトーラは自伝「HITMAKER The Man and His Music」でこう書いている。「(社長になったばかりの私に)台風が2つ来た。ハリケーン・ジョージとハリケーン・テレンスだ。ジョージはジョージ・マイケル。テレンスはテレンス・トレント・ダービー」。87年に発売されたジョージのソロ・デビュー・アルバム「フェイス」は全世界で2000万枚を超え、テレンスのデビュー・アルバム「T.T.D.」はアメリカ人ながらイギリスで大ヒットし、本国アメリカでも200万枚を超えた。しかしこの二人のセカンド・アルバムはセールス的に大失敗だった。

アメリカの音楽業界で「ソフォモアはコケる」というジンクスがある。ソフォモアとは2年生という意味。アーティストはデビュー・アルバムの場合、長い期間にいい曲を書きためている。売れる可能性は高い。しかし2枚目は1枚目で使い尽くしたので、いい曲が残っていない。そしてコケる。しかしジョージ・マイケルは「リッスン・ウィズアウト・プレジュディス」のセールス的失敗はレコード会社の宣伝と営業が悪いと責め立てた。そしてCBSレコードとの契約を終了する為の裁判を起こした。

当時、レコード会社がアーティストと交わす契約はアルバムが5枚か7枚。ジョージ・マイケルは僅か2枚でCBSレコードとの契約を終了したいと言う。そしてヴァージン・レコードを指名した。ヴァージンはEMIミュージックに買収され、EMIミュージックの傘下だった。この移籍話には裏にデヴィッド・ゲフィンがいた。イギリスではヴァージン・レコードだが、それ以外の国(アメリカを含む)ではデヴィッド・ゲフィンの新レコード会社のドリームワークスが販売する事になっていた。裁判の結果、CBSレコードはアーティスト契約を終了し、ジョージ・マイケル側(ヴァージンとドリームワークス)から44億円(1$110円換算。ソースはイギリスの新聞インデペンデント紙)を受けとるという条件で和解した。

恐らく当時CBSレコードはジョージ・マイケルを、シングルは売れるがアルバムはそれ程売れないアーティストとして見ていたかもしれない。アーティスト印税も高くなく、印税の前渡し金も高額では無かったかもしれない。それがアルバム「フェイス」は全世界で2500万枚を超えた。CBSレコードの取り分は大きいが自分の取り分は少ないとジョージ・マイケルが考えたとしても不思議じゃ無い。であるなら不当な契約だとして裁判に持ち込む。それに対しCBSレコードは契約終了でこうむる損害をヴァージン・レコードやドリームワークスがジョージ・マイケルに代わって高額なお金を払ってくれるのなら手を打とうと。結果3枚目の「オールダー」は「リッスン・ウィズアウト・プレジュディス」同様、全世界のセールスが800万枚で、「フェイス」の2500万枚の1/3にも満たなかった。ヴァージン・レコードとドリームワークスがカードのジョーカーを引いた。

そしてジョージ・マイケルは2003年、トミー・モトーラが辞任直後、CBSレコードに戻った。


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